〈ヤマビコ〉 永眠
トライアルは順調でしたが、
6日目になって
〈ヤマビコ〉の呼吸が
速くなった動画がきました。
午後診終わるのギリギリくらいだったので
近くの病院に行って頂きましたら、
レントゲンで
肺が膨らんでいないことが判明。
「誤嚥性肺炎かな?先天性のものかも?」
と言われたそうですが、
舌下腺の手術の影響で
食べづらさはあったとしても、
誤嚥するかなあ・・
腑に落ちないなあ。。
そのあとそのまま〈ヤマビコ〉だけ
お店に連れて来て頂き
〈ヤマビコ〉のトライアルはいったん中断、
〈ヤッホー〉はそのまま続行させて頂くことに。
***
その夜遅く、
呼吸数を数えると 80/分 でした。
これは危ない。。
夜間救急へ。
エコーしてすぐ
胸水が溜ってることがわかり
それにより肺が圧迫されて
呼吸が速くなっている、とのこと。
抜水も行われましたが、
胸水の色と質から
FIPですね、と。
血液検査でも、
黄疸の数値が出ていたので、
FIPでほぼ間違いない
という診断でした。
絶望です
***
FIPとは →コチラ
でお読みください。
FIPは
助かる見込みはありません。。
薬もなく、
猫の保護活動をしている者にとって
一番と言っていいほど憎い病気です。
わたしは昔にフタリ、
ウェットタイプとドライタイプを経験しています。
ねこびやかでは、
〈じゃすてぃん・びーばー〉くんが
卒業してからでしたが、
ドライタイプで旅立ちました。
ストレスが原因と言われますが・・
それで納得できないケースも
今まで聞いてきたので、
FIPに関してはずっともやもや
スッキリしないままでいましたが、
こちらのFIPのまとめが
けっこう納得でした。
↓
『FIP完治のために調べた情報記録』
のページへ。
どこの病院もだいたい
ステロイド&インターフェロン
で進めていくんだと思います。
治療のマニュアルがそうなっているので。
治療と言っても対処療法ですが。。
でも、
ステロイド=免疫抑制剤を使用すると、
炎症は緩和されるけど、
FIPのウィルスをやっつける免疫を
抑えることになるので、
結果的には命を縮めてしまいます。
***
翌日、いつもの病院で相談したら、
「マニュアルでは確かにそうなってるんだけど‥
炎症を一時的に抑えるだけで
治療の負担もあるし
結果としてはあまり..」と
ほぼ同じ見解でした。
(教科書通りではなく、
いつもご自身の経験と感覚と
いろいろ調べて
ちゃんと向き合い勉強した上でのお言葉で
お話してくださいます。)
どうにか助けてあげたい気持ちは
100パーセントあるのですが、
しかし、その自分の気持ちゆえ
しんどいところを病院に通わせて
いろんな嫌なことをして
まずいものを無理に与えて
最期を迎えさせるよりは、
いつもの場所で
みんなで一緒に過ごして
少しでも普通に暮らしてほしいと思い、
処置は何もせず、しかし、
もちろん全快を信じながら、
普通の暮らしのサポートをしていくことを
決意しました。
***
この決意を周りの方は受け止めてくださり
いつも通りを見守ってくださいました。
一緒にいてくれて
撫でてくれて
想ってくれて
あたたかいエネルギーを
たくさん戴きました。
***
診断から数日経っても
呼吸数が安定していたので、
数日でまたすぐ溜ると思われていた胸水が
溜っていないんじゃないか?
と思いました。
不思議に思い
病院へ連れて行きましたら、
ほんとに増えていませんでした。
負担を掛けたくない、
しんどい思いをさせたくない、と
病院には連れて行かないつもりだったけど、
不思議すぎて
もしかしたら・・と
自分の期待に負けてしましました。
しんどい思いさせてごめんね。
***
不思議と胸水が止まったのは、
みなさまの祈りのおかげだと感じます。
最初の呼吸が速い時とは違って、
呼吸が苦しくて眠れない
ということがなくなり、
ゆったり日常生活をおくれました。
ごはんも食べなかったのが、
少しだけですが
毎日ちょろっと食べることができました。
みんなと居たから、
ごはん待ちも釣られて待って、
ドアを開けたらみんなと一緒に
いつもの感じで
ワーッと入って来てました。
実際はほとんど食べれないのですが、
みんなといることって
すごいことなんだなと思いました。
***
診断1週間後、外部に出していた
FIP遺伝子検査も陽性であると
夜間救急で伺った方の病院から
電話がありました。
***
諦めたわけではなくて、
免疫を正常化してくれるものや
美味しく食べられるものを与えて、
元気になってほしいと
願い続けました。
でも、終わりは来てしまいました。
FIPと診断を受けてから亡くなるまでの
中央値が9日だそうですが、
結果的には14日目でした。
最後の日はドライタイプの症状が出て
痙攣が何度も来て、
苦しさが長く続く
きついものでした。
お膝に乗せながら
その姿を見守るしかできないのですが、
しっかり見てあげたいのですが、
涙で見えなくなります。
〈ヤマビコ〉の目に映るように
ここにおるでって
びこーびこーって
いつものわたしの呼び方で声を掛けました。
一緒にいた人たちも
声を掛けたり
涙を流しながら見守ってくれました。
みんなの呼びかけに
ニャーとお返事してくれた時は、
ヤマビコの名前の通りに
応えてくれているようでした。
涙が溢れ出ます。
そんな中でも、
みんなのごはんの時には
自分も駆けつけようと
反応していました。
その場にいた方々は
長時間一緒に居てくださいました。
ありがとうございました。
みなさまが帰って、
夜中に強烈な痙攣が2回ありました。
体が自動で動いているような、
乗っ取られているような、
感じる意識はもうないくらいだったと思います。
きつ過ぎて
もういいよって言いたくなるんだけど、
生きている子にそんな言葉は
勝手過ぎる気がして‥
動物は最期まで生きようと思うのだと思うから。
それからしばらくして
静かに息だけしているような状態になりました。
***
翌朝、冷たく固くなっていました。
旅立ちました。
その瞬間は一緒に居れなかったけれど、
一番苦しい時にそばに居てあげられたので
わたしの気持ちは穏やかでした。
長かった"最期の時"。
ありがとうと
何度も言える時間を
もらった気がしました。
***
旅立つ3日前。
もうしんどくて
動くのもあんまりだったし、
いよいよ食べなくなってきていたのに、
急にキッチンまで来て
今日はこれ食べると自分で選んで、
少しですが食べました。
みんなのごはんの用意も見守って
わたしの肩に登ってから
キッチンの格子のところまで行って
フロアを眺めてみたり、
と、
エネルギッシュな行動をとりました。
フロア側のレギュラーたちも
格子越しにびっくりしてました。
シャーシャー言われてましたが、
〈ヤマビコ〉は気にしてませんでした。
そして、なんと、フロアへ
ぐいぐいと出て行ったのです。
状況が呑み込めない
〈杓文字〉は固まってました。
レギュラーたちがざわつく中、
へー ここから おきゃくさまが くるんですね
しつれいしまーす
なるほど なるほど
と、うきうき
見て回るではありませんか。
もうほんとにびっくりです。
マンガ よむときは こっちで
おかし たべたり ざっか かうのは こっちですね
レギュラーたちに間近で
シャーシャー言われても、
一度も出たことのないフロアを
いろいろチェックして
楽しそうでした。
そうだよ、
この場所に
猫好きなみなさんが来てくれるんだよ。
だから
〈ヤマビコ〉とも出会えたんだよ。
猫たちとみんなが繋がる場所。
どうだったかな?
***
次の日。
最後の力を使ったようです。
あとで調べたら、
旅立つ直前
飼い主が元気になったと勘違いするくらいの
動きをしたり食べたりすることがあるそうです。
飼い主に
元気だよ、大丈夫だよ、
って見せるそうで、
エンジェルタイムと
名付けていた獣医さんがいました。
〈ヤマビコ〉の
エンジェルタイムだったのかな、
と今では思ったりしてます。
***
しんどくても
毎日自分の脚で歩いて
爪を研ぐ。
当たり前の風景を
見せ続けてくれました。
日常がいかに幸せなことか、
毎日感じさせてくれました。
幼く小さいけど
すごくかっこいい姿でした。
***
初めて出会った日。
幸せな道へ繋げる役割の決心、
何が起きても引き受ける覚悟、
の日。
〈ヤマビコ〉の未来がわかっていても、
同じ道を辿るとわかっていたとしても、
ぜったい連れて帰ってます。
ヤマビコ、ありがとう。
すき。
2019.4.8 永眠
- 2019.04.23 Tuesday
- 里親募集
- 01:06
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